日本では、日常生活でもカタカナ日本語をよく使います。「パン / bread」や「コンビニ / convenience store」など、すっかり生活にとけこんでいますよね。
職場でも同じように、たくさんのカタカナ語が使われています。中には、英語がもとになっていても、日本独自の意味や使い方をする言葉もたくさんあります。
この記事は、「職場でよく使うカタカナ日本語10選(その1・略語編)」の続きです。
その1では略語を中心に紹介しましたが、今回は略語ではないカタカナ語を10個ご紹介します。
意味、使い方、発音のポイントなども、例文といっしょにくわしく解説しています。
職場での日本語にもっと自信を持てるよう、ぜひ最後まで読んでみてください!
ビジネスで「カタカナ日本語」を使うメリット
ビジネスの場面では、スピード感のあるやりとりが大事です。その中で、英語由来のカタカナ語を使うことで、短く要点を伝えたり、専門的なニュアンスを簡単に表現できるメリットがあります。
日本語で表現するよりも、英語由来のカタカナ語で言った方が、「シンプルに」に伝えられる感じがします。
以前は「概要(がいよう)」と言っていた言葉も、最近は「レジュメ(Resume)」を使うことのが多くなっています。 私の感覚ですが「レジュメ」の方が意味の伝達がシンプルにできて、使いやすい感があります。( ´∀` )
ビジネスでよく使うカタカナ日本語10選
意味と使い方、注意点をみていきましょう。
1. アジェンダ(Agenda)
- 意味:会議などでの「議題」「進行表」
- 例文:
・「今日のアジェンダを共有します。」
・「アジェンダを確認してから会議を始めましょう。」 - 注意点:英語の “agenda” は「計画表」全体を意味しますが、日本語では「会議の内容や順番」を指すことが多いです。
2. エビデンス(Evidence)
- 意味:証拠、根拠になるもの
- 例文:
・「数字でエビデンスを見せてください。」
・「クレーム対応のエビデンスを保管しています。」 - 注意点:「証拠」や「資料」とも言いかえることができます。会議や説明でよく使われます。
3. イシュー(Issue)
- 意味:問題点、課題、重要なテーマ
- 例文:
・「このプロジェクトのイシューは何ですか?」
・「早くイシューを整理しないといけません。」 - 注意点:ただの「トラブル(事故)」ではなく、「今、話し合うべき大事なこと」という意味で使われます。
4. コスト(Cost)
- 意味:費用、かかるお金
- 例文:
・「このサービスにはどれくらいコストがかかりますか?」
・「コストをおさえる方法を考えましょう。」 - 注意点:お金だけでなく、時間や労力を指すこともあります(例:時間的コスト)。
5. タスク(Task)
- 意味:仕事の一つひとつの作業
- 例文:
・「今日のタスクをリストにまとめました。」
・「このタスクは明日までに終わらせてください。」 - 注意点:「仕事全体」ではなく、「その中の小さな作業」を意味します。
6. ペンディング(Pending)
- 意味:保留になっている状態
- 例文:
・「この件は、いったんペンディングにしましょう。」
・「ペンディングになっているタスクが多いです。」 - 注意点:結論を出さずに、とりあえず「止めておく」状態を表します。
7. レジュメ(Resume)
- 意味:要点をまとめた資料
- 例文:
・「会議のレジュメを事前に送りました。」
・「レジュメを見ながら話を聞いてください。」 - 注意点:日本語では「会議のまとめ資料」という意味で使われます。英語の “resume(履歴書)” とは別の意味です。
8. コミット(Commit)
- 意味:責任を持ってしっかり取り組むこと
- 例文:
・「このプロジェクトに全力でコミットします。」
・「彼はいつも自分の仕事にコミットしてくれます。」 - 注意点:ただ参加するだけでなく、「しっかり関わって成果を出す」ことを表します。
9. マスト(Must)
- 意味:絶対に必要なこと、必須条件
- 例文:
・「この研修への参加はマストです。」
・「クライアントの了解を取るのはマストですよ。」 - 注意点:「できれば」ではなく「絶対にしないといけない」ことを表します。
10. スキーム(Scheme)
- 意味:計画、仕組み、全体の流れ
- 例文:
・「新しい事業のスキームを考えています。」
・「この案件についてのスキームを、来週中にお願いします。」 - 注意点:日本語では「計画の構造」や「しくみ」のような意味で使われます。
カタカナ日本語の中には、「する」をつけて動詞として使うものもあります。例えば「コミットする」です。「このプロジェクトに全力でコミットします。」「彼はいつも自分の仕事にコミットしてくれます。」のように使います。
職場でカタカナ日本語を使うときの注意点
✅ 英語の意味とちがうこともあります。
日本語独自の意味で使っている言葉あります。意味の確認をしてから使うようにしましょう!
例:レジュメ、イシューなど
※日本語では「会議のまとめ資料」という意味で使われます。英語の “resume(履歴書)” とは別の意味です。

✅カタカナ日本語の乱用に注意しましょう。
カタカナ日本語の使いすぎが、わかりにくい会話になってしまうこともあります。
例)「このアジェンダだと、マストでイシューをコミットしないと、次のフェーズにペンディングしちゃいますね。」
(意図)「この会議の議題だと、必ず課題に責任を持って取り組まないと、次の段階へ進まずに保留になってしまいますね。」
ここまではひどくなくても、これに近い人がいます。笑 頭の中をフル回転しながら聞いてもわからない日本語がときどきあります。要注意しましょう。
✅相手に合った言葉をえらびましょう。
必ずカタカナ日本語を使わないといかないわけではありません。相手に合ったわかりやすい言葉をえらんで使いましょう。
カタカナ日本語を使うときのコツ
カタカナ語を正しく発音すると、相手に伝わりやすくなります。そのとき大切なのが、「特殊拍(とくしゅはく)」です。特殊拍を使わないで発音すると、言葉が短くなってしまってわかりずらい日本語になります。その反対に、正しく使うだけで、ぐっと自然な発音になります!
✅ 3つの特殊拍
- 促音(そくおん):小さな「ッ」の音(例:コミット)
「ッ」の前の「ミ」でストップをかける感じで、1拍休みます。 - 撥音(はつおん):「ン」の音(例:ペンディング )
「ン」は、鼻に「ン」の音を入れて発音する感じです。「ン」は鼻音です。 - 長音(ちょうおん):「ー」の音(例:スキーム )
「ー」の前の「キ」を長く発音します。
特殊拍を正しく使うだけで、ぐっと自然な発音になります! - 👉 発音のくわしい説明や練習方法はこちら ↓
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✅ミニ練習問題
【問題1】次の( )に入る言葉はどれでしょう?
- 会議で話す内容をまとめた表は( )です。
A. スキーム B. アジェンダ C. コミット - 今はまだ決められないので、この件は( )にしましょう。
A. タスク B. ペンディング C. エビデンス - 大切なことなので、しっかり( )してください。
A. コミット B. マスト C. レジュメ
答えは↓
まとめ
今回は、「職場でよく使うカタカナ日本語10選!」をご紹介しました。
職場でよく使われるカタカナ語は、英語を知っていても、日本語の意味や使い方に注意が必要です。スムーズなコミュニケーションのための豆知識として頭の隅に入れておいてください。
「ビジネスで使えるカタカナ日本語の(略語編)も、合わせてご覧ください~。全部で20選です!これだけ知っておくだけでも、コミュニケーションパニックの対策になると思います!!
答え
- B(アジェンダ)
- B(ペンディング)
- A(コミット)
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