日本に来て2週間ぐらいのミャンマの方に、「だいぶ慣れましたか」ときいたら、「漢字とカタカナがいっぱいで、ひらがなが少しです」と言っていました。こういう客観的な感想は、私をハッとさせてくれます。私もつくづく、そうだと思いました。
誰でも知っている「砂糖」は「シュガー」と書いてあったり、「塩」は「ソルト」と書いてあったりします。おしゃれなデザインにカタカナの方が似合うという理由かもしれませんが…。
「味噌」や「醤油」まで、カタカナになることはないと思いますが、まったく0の可能性じゃないと思います。
職場でも日常生活でも、カタカナ日本語は増える一方です。わからない言葉があってもスルーしていましたが、最近は気になって調べています。英語が苦手な私には、カタカナ日本語の使用増加は嬉しいことではありません。日本語で言ってほしいと思うことが多いです。
以前は当たり前だった日本語表現の「質」は「クオリティー / quality」になり、「日課」は「ルーティン / routine」などの言葉にドンドンすり替わっています。とにかく、耳に入ってくるカタカナ日本語は、かたっぱしから把握しておかないと会話についていけません。
日本語学習者のみなさんの場合は、日本語式のカタカナ日本語に慣れる必要もありますよね。日本語式の発音では、まったく何を言っているのか想像がつかないことがあります。例えば、「マクドナルド / McDonald’s」です。これは、何回聞いても、「McDonald’s」が想像つかないと思います。
また、「アポイントメント / appointment」は、「アポ」を使うことが多いです。「アポ」だけ聞いて、 「appointment」が想像つかないでしょう。
でも、1~2度耳にしておけば、日本人のカタカナ日本語に慣れるはずです。ただ、日本語学習者の方がカタカナ日本語を使う場合に、日本人にわかりやすい発音で言わないと、日本人との疎通がうまくいかないこともあります。
それで今日は、Businessでよく使うカタカナ日本語の紹介と、日本語の発音のルールをご紹介しようと思います。日本語の発音で「特殊拍」という「拍」がありますが、この拍がうまくできていると日本語の伝達がうまくいきます。音声を聞きながらチェックしてみてください~。
日本企業でよくカタカナ日本語
/ | 日本語読み | 英語 | 主な簡単な意味 |
---|---|---|---|
あ行 | アグリー | agree | 同意・賛成・賛同する |
アサイン | assign | 任命・付与する・割り当てる | |
アジェンダ | agenda | 題目 | |
アセㇲメント アセス | assessment | 能力・スキルなど評価 | |
アテンド | attend | 接待・同行・出席 | |
アポイントメント アポ | appointment | 会議・面会・面談などの約束を取ること | |
イシュー | issue | 論点・解決する課題 | |
イニシアチブ | initiativece | 主導権 | |
イノベーション | innovation | 技術革新 | |
インセンティブ | incentive | 報奨金 | |
インターシップ | internship | 就業体験 | |
インターフェース | interface | 接点・境界線・操作感 | |
エビデンス | evidence | 証拠・根拠 | |
オンスケジュール オンスケ | on schedule | 予定通りの進行状態、状況であること | |
か行 | ガバナンス | governance | 公正な判断、運営のための監視、統制する仕組み |
キャッチアップ | catch up | 1.把握していない事柄を、 後から追って理解・把握する行動 2.事前に情報収集すること | |
クラウド | cloud | ネット上の処理保存 | |
コミットメント コミット | commitment | 業務や業績目標に対して、 責任を持つ、約束すること | |
クロージング | closing | 商談の最終段階 | |
コンセプト | concept | 商品やサービスなどの全体構想 | |
コンテンツ | content | 情報の中身 | |
コンプライアンス | compliance | 法令や規則を守る姿勢 | |
さ行 | サスティナブル | sustainable | 持続可能な |
スキーム | scheme | 目的を遂行するための計画された枠組み 「事業スキーム」「取引スキーム」など | |
サマリー | summary | 要点を簡潔にまとめたもの | |
セグメント | segment | 顧客層の集団・集団を何らかの ターゲットを何らかの指標で区切った区分 | |
ソリューション | solution | 問題の解決とその手段 | |
た行 | ダイバーシティー | diversity | 多様性 |
チュートリアル | tutorial | 製品の基本的な操作方法 初歩的な知識や技能などを解説したもの | |
テレワーク | 時間や場所を有効に活用した柔軟な勤務形態 | ||
な行 | ナレッジ | knowledge | 有益な知識・情報 |
ニーズ | needs | 必要・要求・需要 | |
ニッチ | niche | 小規模で見逃されやすい隙間の領域 | |
は行 | バッファ | buffer | データーを一時的に保持する記憶領域 |
バックアップ | backup | 消失に備えたデーター保存 | |
パラダイム | paradigm | 「○○パラダイム」○○のとらえ方や、考え方の革新的な変容を表現 | |
ブランディング | branding | 独自のブランド対する信頼や共感を促して、自社の価値向上や他社との差別化すること | |
ブリーフィング | briefing | 簡単な報告・打ち合わせ | |
ファクター | factor | 要因・要素 | |
フィードバック | feedback | 問題解決・成長促進を目的に 指摘・評価をすること | |
フェーズ | phase | 進行過程の段階・工程 | |
フォーマット | format | 書式・形式・ひな形 | |
フレキシブル | flexible | 柔軟性・順応性だある・融通が利く | |
フォローアップ | follow up | 知識やスキルの定着を図継続的な支援活動 | |
フレームワーク | framework | 物事を考える上での枠組みや骨子 | |
プロモーション | promotion | 販売のための宣伝・販売促進 | |
プロセス | process | 過程・手順 | |
ベネフィット | benefit | 商品・サービスから得られる 利益や恩恵 | |
ベンチマーク | bench mark | 目的、比較対象とする指標・基準 | |
ペルソナ | persona | 架空の顧客 | |
ベンチャー | venture | 収益が確定していない新規事業全般 | |
ペンディング | pending | 保留 | |
ホワイトカラー | white collar | 事務職系の労働者のこと | |
ボトルネック | bottleneck | 業務停滞、生産性低下を招いている 工程、箇所 | |
ポートフォリオ | portfolio | 1.自分の能力・実績などの 書類や作品集 2.資産構成 | |
ま行 | マインドセット | mindset | 思考や心理状態 |
マーケティング | marketing | 市場調査・分析・商品企画・ 広告伝活動など | |
マネジメント | management | 管理運営・経営 | |
ラ行 | ランニングコスト | running cost | 必要経費・運転資金 |
リスク マネジメント | risk management | 経営上のリスクの把握・予防・対策体制を取ること | |
レスポンス | response | 反応・応答・返事 | |
レジュメ | resume | 講義・会議内容を要約したもの | |
リソース | resource | 経営資源(人材・物資・資金・時間) | |
リモートワーク | オフィスから離れた遠隔地で働く勤務形態 | ||
レバレッチ | leverage | 小さな力で大きなものを動かすしくみ | |
リスケジュール リスケ | reschedule | 計画・予定・の変更、再調整をすること | |
/ | 日本語読み | 英語 | 主な意味 |
日本語の「拍」の存在と特殊拍
「拍」という言葉をはじめて耳にする人も多いと思います。拍は、1文字の長さと考えればいいでしょう。日本語は1文字が1拍と決まっています。なので、この拍が正しくないと言葉の意味も違っくるし、日本人にうまく話しが通じなくなります。
例えば、
「あそこに、いてください」と「あそこに、いってください」
「田中さんが、しています」と「田中さんが、しっています」
「輸送 / ゆそう」と「郵送 /ゆうそう」
「女子 / じょし」と「上司 / じょうし」
「事件 / じけん」と「実験 / じっけん」
「キムチ」と「勤務地 / きんむち」
は1拍の違いで意味がまったく違います。
「拍」で難しいのは、「長音」と、「ん」と、小さな「っ」です。この3つの拍の長さが守られれば、自然な日本語、流暢な日本語に大きく近づくことができます。
※「長音」と、「ん」と、小さな「っ」を特殊拍といいます。
住所のなかに特殊拍が2~3個入っていると、拍がうまく守られていなくて、相手に正しく伝わらないことがあります。伝わらない経験がある人は、特殊拍を意識することで日本語全般のSkillupに繋がると思います。
※「発音」に関する関連記事です。↓
・外国人にむずかしい日本人の名前
・日本人に、e-mailを教えるときに注意すること!
あ行のカタカナ日本語の発音のPoint
あ行のカタカナ日本語で、「イニシアチブ」「アポ」「アセス」には、特殊拍が入っていません。なので、日本語の伝達に問題が起きづらいです。
後のカタカナ日本語には、特殊拍が1つ~3つ入っています。「インターフェース」は3つ入っています。
「イン」の「ン」は鼻音です。鼻で「ン」の音を出すように意識しましょう。そうしないと、拍が短くなってしまします。
「ター」「フェー」は長音です。「タ」と「フェ」の音をしっかり2拍で発音しましょう~。
この3つの拍がない場合は「イタフェス」になって、日本人には聞き取りづらい発音になる可能性があります。相手が理解しやすい言葉を使ったり、聞きやすい発音を意識するだけでも、会話力がUPすると思いますよ。
か行のカタカナ日本語の発音のPoint
か行のカタカナ日本語には、小さな「ッ」がたくさん入っています。もちろん、小さな「ッ」も1拍の長さが必要です。「コミット」には、「ッ」が一つ入っているだけですが、「キャッチアップ」には、2つ入っています。「コミット」は4拍で、「キャッチアップ」は6拍です。「キャッチアップ」の方が発音が難しいです。「コミットメント」には、「ッ」と「ン」が入っているので、「コミットメント」も難易度が高い発音です。音声を参考にして発音を確かめてください。
さ行のカタカナ日本語の発音のPoint
日本語の特殊拍の拍の感覚に慣れてきましたか?さ行で難易度の高い発音は「ソリューション」だけです。一つ一つ丁寧に発音すると、日本語の発音に柔らかさが出てきます。
た行のカタカナ日本語の発音のPoint
「ダイバーシティー」は7拍です。
な行のカタカナ日本語の発音のPoint
簡単だと思って拍をおろそかにすると、うまく通じないときがあります。特殊拍が定着するまで、ゆっくり丁寧な発音を意識するといいでしょう。
※このサイトの音声は音読さんを使用しています。
は行のカタカナ日本語の発音のPoint
は行のカタカナ日本語が多いですね。私もビックリです!は行のカタカナには「ファ・フィ・フェ・フォ」があります。この発音は、まず「フ」の口の形を作ってから「ァ・ィ・ェ・ォ」の口の形で発音すればいいです。
「フォ」と「ホ」の音が紛らわしいですが、音を出す場所が全然違います。

「フ」の口の形を作ってから「ァ・ィ・ェ・ォ」の口の形で発音します。

「は、は、は」を「ほ、ほ、ほ」で発音するればいいです。
参考にして発音してみてください。
ま行のカタカナ日本語の発音のPoint
ら行のカタカナ日本語の発音のPoint
「らりるれろ」は、軽く弾く音です。舌を巻きすぎると、拍が合わなくなります。前歯のすぐ後ろで軽く弾くように発音して、拍を合わせて見てください。
※このサイトの音声は音読さんを使用しています。
まとめ
カタカナ日本語が知らず知らずのうちに日本語会話の必需品のようになってきました。日本語学習者の方は、ひらがな・カタカナ・基礎的な漢字・語彙・文法・表現…などの習得に加え、カタカナ日本語まで学習範囲が広がっています。
これらを身につけて日本で生活している皆さんを見ると、ほんとうに「すごいな~」と感心しています。自分ではわからないかも知れませんが、本当にスゴイことです!!
今回は発音の「特殊拍」もご紹介しました。特殊拍は特殊なだけあって、うまくできない人も多いです。初級のときに「拍」の指導があればいいのですが、なかなかできていない現状だと思います。
耳を鍛えると思って、音声を何度か聞いてみてください。うまくいかないときは、お問い合わせからご連絡ください。日曜日の無料発音講座をご案内します。20個ぐらい音声を録音して、お問い合わせから送ってくださってもいいですよ。
では、みなさんのおしごとの日本語Skliiupを応援しています。ファイト!
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