「『ご』はどんな言葉につく?和語・漢語の違いを深掘り解説」敬語の基礎固めになります!

日本語で、よく使う「ご」の使い方に迷ったことはありませんか。

例えば、「連絡」は「ご連絡というときがあります。「確認」は「ご確認というときがあります。「利用」は「ご利用」といいます。よく聞く言葉ですね。このほかにも、「ご紹介」「ご案内」「ご説明」「ごあいさつ」「ご報告」などなど、あげればきりがありません。

ただ、「ご」がつかない言葉もあります。「運動」は、どうでしょうか。運動は運動です。「ご運動」にはなりません。運転も運転です。「ご運転」にはなりませんよね。ちなみに「お運動」「お運転」にもなりません。

「よく運動しますか」という日本語を、もっと丁寧に言いたいときに「あれ??運動は「ご」かな?「お」かな?「ご」あるの?ないの?」みたいなことがあります。

中級からの日本語の勉強では、ささいなことで迷うことがあります。今回の勉強では「ご」がつく言葉、つかない言葉、どんなときに「ご」を使うかを解説します。中級からのSkillupに、ぜひ役立ててください~。

「ご」がつく言葉

「ご」がつく言葉には、「ご自分」「ご本人」「ご家族」「ご主人」「ご年齢」「ご住所」「ご職業などなど…限りなくたくさんあります。みなさんも、よく使っていると思います。わかりやすく名詞、い形容詞、な形容詞にわけてみてみましょう。

✅名詞につく「ご」

「ご自分」「ご本人」「ご家族」「ご主人」「ご年齢」「ご住所」「ご職業」「ご氏名」「ご自宅」「ご来店」「ご来客」「ご入金」「ご送金」「ご購入」「ご記入」「ご署名」「ご提出」など。

✅い形容詞につく「ご」

い形容詞に「ご」は、つきません。

✅な形容詞につく「ご」

「ご親切」「ご丁寧」「ご不便」「ご心配」「ご不自由」「ご不要」「ご迷惑」など。

「ご」がつかない言葉

全部の言葉に「ご」は、つきません。先にもご紹介した「運動」「運転」には「ご」がつきません。日本人は無意識に使い分けができますが、日本語学習者にとっては、「ご」がつく、つかないの判断が難しいと思います。わかりやすく名詞、な形容詞にわけてみてみましょう。

✅名詞につかない「ご」

定食」「メニュー」「鉛筆」「教科書」「書類」「資料」「転勤」「問題」「学校」「社会」「 経済」「政治」「文化」「歴史」「 科学」「技術」「情報」などの名詞には「ご」がつきません。 例)ご定食/ごメニュー/ご鉛筆/ご書類×

✅な形容詞につなない「ご」

「有名」「便利」「簡単」「複雑」「安全」「快適」「完全」「貴重」などのな形容詞には、「ご」がつきません。例)ご有名/ご便利/ご簡単/ご安全×


「ご契約」には「ご」がつくので、書類や資料にも「ご」をつけてもよさそうですが、つきません。笑

以前、私が教えている学校で「ご」「お」に関するテストをしたことがあります。3つの中から答えを選ぶ問題です。

【問題】 
次の1~3の中から正しいものを選んでください。
1. 本日はお貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。
2. 本日はご貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。
3. 本日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございます。

わかっているようでも、試験になると答えに迷ってしまいます。答えが気になる方は、下の「まとめ」を見てください。

どんな言葉に「ご」がつく?

「ご」は漢語につきます。もちろん例外もあります。漢語は、中国から入ってきた言葉です。音読みをする言葉が漢語です。例えば「飲む」は和語で訓読みをします。「飲食」は漢語で音読みをします。

「飲食」は「ご飲食」になるので、領収書に「ご飲食代として」と書きます。

生活の中でよく使う「ご」がつく漢語の例です。例文といっしょに、みてみましょう。

ご連絡(ごれんらく)
例)後ほど、あらためてご連絡いたします。

・質問(ごしつもん)
例)何かご質問はございませんか。

ご案内(ごあんない)
例)会場までご案内いたします。

ご予約(ごよやく)
例)明日のご予約ですね。

・ご宿泊(しゅくはく)

例)本日は、当ホテルにご宿泊いただき、誠にありがとうございます。

ご利用(ごりよう)
例)いつもご利用頂き、ありがとうございます。

ご相談(ごそうだん)
例)ご相談窓口

ご無沙汰(ごぶさた)
例)大変ご無沙汰しております。

ご挨拶(ごあいさつ)
例)最初にご挨拶申し上げます。

ご心配(ごしんぱい)
例)ご心配をおかけいたしました。

ご迷惑(ごめいわく)
例)大変ご迷惑をおかけします。

上記以外にも、「ご理解(ごりかい)」「ご協力(ごきょうりょく)」「ご希望(ごきぼう)」「ご検討(ごけんとう)」など、いろいろな「ご」のつく漢語が日常的に使われています。

どんな言葉に「ご」がつかない??

「ご」がつかない言葉は和語(わご)です。和語は昔からあった日本語の言葉のことです。例えば、「花」や「水」です。和語には「お」がついて「お花」「お水」になります。ちなみに、い形容詞は全部和語なので「ご」がつきません。

それから、カタカナ(外来語)には、つきません。例えば、「ごコーヒー」や「ごサイン」「ごカフェ」とはいいません。丁寧に言おうとして、お客様に「ごサインお願いします」などと言わないようにしましょう。

あと、色や自然に関係したことばや、下品な言葉にも使いません。「ご赤」「ご黒」「ご谷」「ご川」などの言葉にはなりません。

「ご」は敬語の意味で使うので、下品な言葉言葉につくことはありません。

✅和語に使いません。
✅カタカナ(外来語)に使いません。
✅色や自然に関する言葉に使いません。
✅下品な言葉に使いません。

例外「お」がつく漢語

基本的に漢語は「ご」がつきますが、「お」がつく例外の漢語があります。

お時間(おじかん)
例)今、お時間よろしいでしょうか?

お大事に(おだいじに)
例)お体をお大事になさってください。

お元気(おげんき)
例)お元気そうで安心しました。

お電話(おでんわ)
例)また後ほど、お電話いたします。

お化粧(おけしょう)
例)毎朝、お化粧に時間がかかります。

お料理(おりょうり)
例)お料理は、よくなさいますか。

お食事(おしょくじ)
例)お食事をお持ちいたしました。

お会計(おかいけい)
例)お会計お願いします。

お礼(おれい)
例)温かいお心遣いに、心よりお礼申し上げます。

お勉強(おべんきょう)
例)日本語はどれくらいお勉強なさいましたか。

例外の漢語をいくつか紹介しました。例外は、全体の20%ぐらいだそうです。

「お」が付く漢語は、日常でよく使うものが多く、美化語として使うものも多いです。身近な漢語が和語の感覚になって「お」が付くようになったのかもしれませんね。

「ご」も「お」もつく漢語

「ご」も「お」も使える漢語があります。

返事・都合・会計・病気・通知・葬式・年始・年賀・祝辞・祝儀・誕生などの言葉は、どちらも使えます。

「ご(御)」は、改まった表現、書き言葉で多く使う人が多いです。「お」も書き言葉でも使いますが、会話で多く使います。

まとめ

今回は、漢語の「ご」に関して解説をしました。「ご」の有無は、ちょっと複雑なので、話しが長くなってしまいました。「ご」は、敬語表現にも使うので、知識として頭の隅に入れておいて損がないです!!

今回の学習...............................................................
✅「ご」がつく言葉
✅「ご」がつかない言葉
✅どんな言葉に「ご」がつく?
✅どんな言葉に「ご」がつかない??
✅例外「お」がつく漢語
✅「ご」も「お」もつく漢語
........................................................................

みなさんの日本語Skillupを応援しています~~。

【問題】答え3

👩🏻‍🏫こちらは関連動画です~。

日本語「お」がつく言葉と、つかない言葉。必見

【中級者向け】敬語の「お」完全ガイド(尊敬語編)

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