初級の教科書に、こんな会話の聞きとりがありました。

これいくらですか?

88,000円です。

じゃ、いいです。
私が学生に、男の人は88,000円の物を買いましたか?買いませんでしたか?と聞きました。
12人の学生中、6人が買ったと言って、6人が買わなかったと言いました。ちょうど5:5で意見が分かれました。
みなさんは、どっちだと思いますか?
どうして、このように意見が分かれたと思いますか?
そうです!「いいです」には2つの意味があるからです。
2つの意味を持つ言葉は、どっちの意味で言っているのかな?と一瞬不安になることがあります。
それで今日は、2つの意味を持つ言葉の「いいです」「けっこうです」をご紹介します。
職場のコミュニケーションUPに役立ててください。
許可「~てもいいですか」承認「いいです(よ)」
許可を求める場合に「~てもいいですか」といいます。承認する場合は「~てもいいです(よ)」といいます。このときの承認の省略した言い方が「いいです(よ)」です。
私が相手に許可を求めて、相手が承認する場合、相手が「いいです(よ)」と言います。「OK!」という意味です。

相手が私に許可を求めて、私が承認する場合、私が「いいです(よ)」といいます。

承認する言い方は、他にも「はい、どうぞ」「どうぞ、ご試着なさってください」といった言い方もできます。
「いいです」の改まったいい方に「けっこうです(よ)」があります。この承認の「いいです(よ)↑」「けっこうです(よ)↑」の語末イントネーションは、上がります。↑

どこで、誰に、どんな目的、立場で日本語を使うかによって、「いいです」「けっこうです」「いいですよ」「けっこうですよ」を使い分けれたらいいですね。
承認できない場合
承認できないときは、承認できない理由をいったり、他の代案を言えばいいです。「ちょっと……」といった曖昧に承認できない表現をすることもあります。
お客:この洋服、試着してもいいですか。
店員:すみません。こちらの商品は、試着ができないんです。申し訳ございません。
お客:いいぇ、大丈夫です。
勧誘と断り「いいです」
私が相手に何かを勧誘して、相手が私の勧誘を断る場合、相手が「いいです」と断ります。

相手が私に何かを勧誘して、私が相手の勧誘を断る場合、私が「いいです」と断ります。

「いいです」の改まったいい方の「けっこうです」を使うこともできます。断りには「よ」をつけません。親しい関係で「よ」をつけることがありますが、相手の勧誘を強く断る表現になります。職場で使うことはないでしょう。
この断りの「いいです↓」「けっこうです↓」の語末イントネーションは、下がります。↓
断る言い方は、この他にも「大丈夫です」や、「タバコを辞めたので….」のような断る理由を言う表現でもいいです。
先輩:すう?
後輩:いぇ、いいです↓。 たばこ、やめたんです。ありがとうございます。
好意で勧められた料理が、自分の宗教や今日の体調などの理由で食べられないことがあります。
断ることは悪いことではないので、感謝の気持ちを前後に付け加えれば、好感のいい断りができます。
先輩:食べない?
ザヌバ:私…豚肉は、ちょっと…。
先輩:あ!ザヌバさん、豚肉食べなかったよね。忘れてた~ごめんね。
ザヌバ:いいえ、ありがとうございます。
確認と断り

これいくらですか?
(値段の確認)

88,000円です。

じゃ、いいです↓。また、今度にします。
(笑顔で断る)

またのお越しをお待ちしております。
(笑顔であいさつ)
何かの購入や予約をする場合に、値段などの条件を確認しますが、それが自分の希望に合わない場合がありますよね。そのようなときに、「じゃ、いいです。また今度にします」「だったら、いいです。ありがとうございます」のような断りをします。
もちろん、「けっこう」を使うこともできます。「じゃ、けっこうです。また今度にします」「だったら、けっこうです。ありがとうございます」
カフェで
お客:カフェラテください。PayPayで…。
店員:すみませんが、お支払いは、現金かクレジットになっています。
お客:じゃ、すみません。いいです。
断るときは、笑顔で好感のいい断り方を心がけるといいでしょう。
まとめ
今日は「許可と承認」「勧誘と断り」「確認と断り」の表現でつかう「いいです・けっこうです」をご紹介しました。お役に立ちましたでしょうか。
以前、どこかで聞いた話しですが、カフェで「おかわり、いかがですか」と言われて、おかわりをお願いするつもりで「いいです」といったら、店員さんがそのまま行ってしまったそうです。
あるあるの出来事ですよね。笑笑
好感のいいコミュニケーションで、楽しくお仕事してください~。
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