先日、日本人と外国人の交流会に参加したパクさんに、「交流会、どうでしたか」と聞いたら、
「日本人の女子が、メッチャかわいいでした」と嬉しそうに言っていました。意味はわかるのですが、パクさんの「かわいいでした」に、ため息が出る思いになりました。
なぜかというと、「い形容詞」の過去形は「かったです」だからです。この形を指導するのに日本語教師は、相当の体力を使って必死に指導をします。でも、な形容詞の「じゃありません・でした・じゃありませんでした」の存在に勝つことができません。「い形容詞」が「な形容詞化」していまい、頑固な汚れのようになってしまいます。
でも、パクさんのカッコいい「~くないです・かったです・~くなかったです」を聞けるその日まで私は諦めません。
そこで、今日は「かわいいでした」の間違いを改善しようと思います。みなさんも、もう一度「い形容詞」の活用をしっかり復習してください~。
どうして、「かわいいでした」は、正しくないの??
日本語といえば「です」「ます」って感じですよね。名詞、形容詞には「です」で、動詞には「ます」と理解している人も多いと思います。
日本語の形容詞は2種類あります。「い形容詞」と「な形容詞」です。「い形容詞」と「な形容詞」は同じ形容詞ですが、使い方が違います。
「い形容詞」は、間違いやすい日本語の一つです。N1の資格があっても間違ってしまいます。
「かわいい」は「い」で終わるい形容詞です。
私は かわいい。
私は かわいいです。
私は かわいくない。
私は かわいくないです。
私は かわいかった。
私は かわいかったです。
私は かわいくなかった。
私は かわいくなかったです。
「かわいいでした」の「でした」は「な形容詞」に使います。
正しい言い方は「かわいかったです」です。

交流会、どうでしたか?

日本人の女子が、メッチャかわいかったです!
「い形容詞」の活用
■「い形容詞」の普通形
現在 | 現在否定 | 過去 | 過去否定 |
かわいい | かわいくない ※「い」は不要 | かわいかった ※「い」は不要 | かわいくなかった ※「い」は不要 |
おいしい | おいしくない | おいしかった | おいしくなかった |
やさしい | やさしくない | やさしかった | やさしくなかった |
いい | よくない ※「よい」を使う | よかった ※「よい」を使う | よくなかった ※「よい」を使う |
■「い形容詞」です形
現在 | 現在否定 | 過去 | 過去否定 |
かわいいです | かわいくないです | かわいかったです | かわいくなかったです |
おいしいです | おいしくないです | おいしかったです | おいしくなかったです |
やさしいです | やさしくなです | やさしかったです | やさしくなかったです |
いいです | よくないです ※「よい」を使う | よかったです ※「よい」を使う | よくなかったです |
Aさん:日本旅行は、どうでしたか??
Bさん:日本人がやさしかったです。〇 やさしいでした ×
Aさん:日本旅行は、どうでしたか??
Bさん:ラーメンがおいしかったです。〇 おいしでした ×
Aさん:日本旅行は、どうでしたか??
Bさん:温泉がよかったです。〇 いいでした ×
「いい」は「いい」と「いいです」に使えます。否定・過去に使えません。否定・過去には、
「よい」を使います。
「い形容詞」の活用が正確にできれば、ドミノ式にSkillupします。「~くない」「かった」を使いこなしてください~。
「な形容詞」の活用
■「な形容詞」の普通形
現在 | 現在否定 | 過去 | 過去否定 |
元気だ | 元気じゃない | 元気だった | 元気じゃなかった |
便利だ | 便利じゃない | 便利だった | 便利じゃなかった |
暇だ | 暇じゃない | 暇だった | 暇じゃなかった |
静かだ | 静かじゃない | 静かだった | 静かじゃなかった |
■「な形容詞」です形
現在 | 現在否定 | 過去 | 過去否定 |
元気です | 元気じゃないです (ありません) | 元気でした | 元気じゃなかったです (ありませんでした) |
便利です | 便利じゃないです (ありません) | 便利でした | 便利じゃなかったです (ありませんでした) |
暇です | 暇じゃないです (ありません) | 暇でした | 暇じゃなかったです (ありませんでした) |
静かです | 静かじゃないです (ありません) | 静かでした | 静かじゃなかったです (ありませんでした) |
「ゆうめい」「きれい」「きらい」「とくい」は、「な形容詞」です。
・有名:有名なタレント /有名だ
・きれい:きれいなタレント / きれいだ
・嫌い:嫌いなタレント / 嫌いだ
・得意:得意な科目 / 得意だ
「な形容詞」の活用は「名詞」の活用と同じです。「な形容詞」の活用と「い形容詞」の活用をしっかりマスターすれば、基礎のしっかりした日本語になります!
まとめ
頭の中ではわかっていても、実際の会話ではうまく言えないことが多いです。特に、い形容詞が定着するのには時間がかかります。会話の場をたくさん作って、実践を重ねることをお勧めします~~。