日本語を勉強する目的は人それぞれで、勉強方法も人それぞれです。
早く習得できる人もいるし、時間がかかる人もいます。
バランスのいい学習成果が出ている人もいれば、極端に偏った結果になっている人もいます。
でも、心配はありません。足りないところは補完していけばいいだけですから。
さて、今日は「日本語を勉強している人にあるあるのNG(よくあるNG)をご紹介します。
今日は漢字が得意な人にあるあるのNGです。
「足りない」「不足」どちらを使う??
先日、日本語を勉強している韓国人の金さんと会話をしていました。
そのときに金さんが「私は日本語の知識が不足していますから、……..」といいました。
一瞬、あれ?何かがおかしい。
金さんと話していると、ときどき同じようなことがあります。
あ!2文字の漢字を使ったな、と思いました。金さんは漢字にとても長けた人です。
漢字は何でも知っています。
この場合「私は日本語の知識が不足していますから、……..」じゃなくて、「私は日本語の知識が足りないから……..」「私は日本語の知識が足りないので……..」の「足りない」が自然な会話表現です。
「足りる」の否定「足りない」です。「不足」と同じ意味ですから、意味として通じないわけではありません。ただ、「不足」は書き言葉や、ニュースなどの情報発信の場で多く使います。普通の会話では「足りない」が自然ですね!
「決める」と「決定する」のどちらを使う??
「漢字に長けた方との会話パート2」です。私が「連休はどこに行きますか」とききました。その方は「今年はハワイに行くことに決定しました」といいました。
このときも、一瞬、あれ?何かがおかしいと思いました。
この場合は「今年はハワイに行くことに決めました」「今年はハワイに行くことにしました」が自然です。「決定する」は日本語では、個人が決めたことには使いません。
母語では、ぜんぜん問題のない表現でも、日本語にすると違和感がある表現になってしまうときがあります。本当に難しいですネ。
日本語の語種について
日本の語種には和語、漢語、カタカナ語(外来語)があります。
例えば、「話し合い」は和語、「会議」は漢語、「ミーティング」はカタカナ語です。「泳ぎます」は和語、「水泳」は漢語、「スイミング」はカタカナ語です。あらためて、日本語を勉強している皆さんのご苦労を感じます。みなさん、スゴイ!!この3つの言い方を全部知っていますよね。
和語は、日本語固有の語で、大和言葉ともいいます。
「あめ」「たべもの」「あつい」「はしる」などなどです。「雨」「食べ物」「暑い」「走る」と漢字で書きますが、これは表記上のことです。
漢語は、中国古来の漢字音を使った語をいいます。中国からの借用語です。
「雷雨(らいう)」「食物(しょくもつ)」「猛暑(もうしょ)」「走行(そうこう)」
カタカナ語は、英語などの外来語からの借用語です。ドンドン増える一方で、私もわからない外来語がたくさんあります。最近「リスケ」を知りました。「リスケお願いします」とわれましたが、はじめは「リスケ」がわかりませんでした。リスケは「リスケジュール」を短くした言葉で、日程変更、予定変更の意味でした。
話しがそれてしまいましたが、「足りない」と「不足」の話しに戻ります。
「足りない」は和語で、「不足」は漢語です。
漢語は書き言葉や公的な場で多く使われます。ちょっと堅い表現だといっていいでしょう。和語の方が親しさ、やわらかさがあります。日常の会話では、漢語より和語を使う方が多いと言っていいでしょう。※和語は文章を書くときも使えま~す!!
まとめ
漢字が得意な日本語学習者の方は、和語と漢語の使い分けに、ちょっと関心をもってみてください。
日本人との実際の会話でも、自然に身についていくと思います。ドンドン会話の場を増やして
自然な日本語会話を体で覚えて、日本語を楽しんでください~。